No.02 建物の事前調査
地元でもひと際目を引く大きなお屋敷の「小島別邸」。
瓦塀と大門に囲われた広い敷地に威風堂々と建つ主屋は
古民家の中でも格式の高さを思わせる佇まいです。
小島別邸の外観の特徴は、日本の民家建築でよく見られる
『越屋根』と『深い軒』です。
『越屋根』とは、切妻屋根の上部に設置された小屋状の屋根
のことです。この部分から煙や暖まった空気を外に出すこと
で室内に新鮮な空気を取り込む工夫が施されていて、現在の
『24時間換気システム』のような役割を果たします。
そして『深い軒』。小島別邸の軒はとても深く、張り出した
屋根を支えるための軒組みは重厚に建築されています。
この深い軒のおかげで外壁は現在も比較的きれいな状態が
保たれています。
建物の間取りは長い年月の間に増改築が繰り返され、
主要部分は建てられた当初の生活に合わせた造りに
なっています。内装も和洋折衷に仕上げられていました。
増改築が繰り返された関係で建物全体の構造や納まり
を把握することは難しく、日を改めて再度現調を行い
既存建物の平面図を作成しました。
古民家の宿「小島別邸」のリノベーション工事については
現場日誌で進捗状況をお知らせしてまいります。
ぜひ続けてご覧ください。