No.05 木工事(躯体補強~断熱施工)
小島別邸は日本建築に代表される『石場建て』で建築されています。
石場建てとは、日本の伝統的な木造建築に用いられてきた工法で、
柱の下に直接石を据えて建物を支える構造です。
基礎と柱を固定しないため地震の揺れを受け流し、建物全体で
バランスを取る柔構造となっています。また、床下に空間が
生まれることで通気性が良くなり、湿気による劣化を防ぎ、
防腐性・防蟻性も優れています。
左の写真は礎石部分の柱です。この柱は100年以上も前に
建てられたもので、空気に触れていたため劣化はしていません。
右の写真は増築した部分の柱です。壁で囲う大壁仕上げのため
かなり劣化していたので撤去して新しい柱にやり替えました。
建物の骨組みが見える工程になると構造的に重要な柱や梁を
確認して、間取りが計画通りに収まるかをチェックします。
リノベーションでは間取りの変更を伴う計画を余儀なくされますが、
建物の骨組みは極力変更しないように計画します。間取り変更で
余計な構造柱などがある場合は、無理に撤去せずに改めて間取りの
変更を行うことです。
小島別邸では耐震性能を向上させるために一部の壁に面材になる
合板を張って耐震補強を行いました。
古民家は昔ながらの自然素材でつくられた家です。土壁や木の柱、
障子など、風通しが良く四季を心地よく体感できますが、断熱性能
を高めることが必要です。床、外壁側の内壁や天井にもできるだけ
断熱材を入れて対策を施します。
■断熱材を施工した床下・壁・天井
古民家の宿「小島別邸」のリノベーション工事については
現場日誌で進捗状況をお知らせしてまいります。
ぜひ続けてご覧ください。