No.05 木工事(躯体補強~断熱施工)
小島別邸は日本建築に代表される『石場建て』で建築されています。
石場建てとは、日本の伝統的な木造建築に用いられてきた工法で、
柱の下に直接石を据えて建物を支える構造です。
基礎と柱を固定しないため地震の揺れを受け流し、建物全体で
バランスを取る柔構造となっています。また、床下に空間が
生まれることで通気性が良くなり、湿気による劣化を防ぎ、
防腐性・防蟻性も優れています。
左の写真は礎石部分の柱です。この柱は100年以上も前に
建てられたもので、空気に触れていたため劣化はしていません。
右の写真は増築した部分の柱です。壁で囲う大壁仕上げのため
かなり劣化していたので撤去して新しい柱にやり替えました。
建物の骨組みが見える工程になると構造的に重要な柱や梁を
確認して、間取りが計画通りに収まるかをチェックします。
リノベーションでは間取りの変更を伴う計画を余儀なくされますが、
建物の骨組みは極力変更しないように計画します。間取り変更で
余計な構造柱などがある場合は、無理に撤去せずに改めて間取りの
変更を行うことです。
小島別邸では耐震性能を向上させるために一部の壁に面材になる
合板を張って耐震補強を行いました。
古民家は昔ながらの自然素材でつくられた家です。土壁や木の柱、
障子など、風通しが良く四季を心地よく体感できますが、断熱性能
を高めることが必要です。床、外壁側の内壁や天井にもできるだけ
断熱材を入れて対策を施します。
■断熱材を施工した床下・壁・天井
古民家の宿「小島別邸」のリノベーション工事については
現場日誌で進捗状況をお知らせしてまいります。
ぜひ続けてご覧ください。
No.04 着工(解体工事)
3月25日、いよいよ工事が着工しました。
まずは解体工事からスタート。木造住宅の構造は柱と梁組み
で構成されていますので、熟練した大工さんと木組みを
確認しながら、建物を解体する場所を打合せします。
既存住宅を解体する場合、作業の順番を間違えると屋根が
落下する危険がありますので細心の注意が必要です。
建具や間仕切り壁を撤去すると広々とした田の字型の空間が
広がりを見せます。改めて小島別邸のスケール感に驚かされます。
■ 間仕切り撤去後の様子 (画像クリックで動画を再生できます)
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No.03 プランニング
小島別邸のリノベーションは「民泊新法」(住宅宿泊事業法)
の届出を行うため、ガイドラインを確認し、宿を経営する
オーナー様からの要望をしっかりとヒアリングして、必要な
間取りや使いやすい動線を考えプランニングしました。
民泊新法とは
民泊新法とは、2017年6月に成立し2018年6月から施行されました。
この法律は、従来の旅館業法に定められているホテル・旅館営業、
簡易宿所営業、下宿営業、そして国家戦略特別区域の特区民泊とは
異なり、住宅を短期間貸し出す新しい形の宿泊営業を規定しています。
民泊新法のもとでは、より少ない制限と簡易的な手続きで合法的に
民泊事業を開業し運営することが可能です。これにより、個人の住宅を
利用した観光宿泊が認められ民泊市場の正規化と活性化が進められました。
リノベーションのプランニングは、新築のように間取りを
自由に考えることができません。床下や小屋裏を調査して、
構造や劣化状況を考慮してプランニングを行いました。
小島別邸の梁材はとても立派な丸太梁で造られています。
床下は通気性が良い状態ですが、主屋部分より簡素な材料で増築した
部分と水廻りは特に劣化していたため、解体することになりました。
建物の事前調査をしっかりと行い、完成したのが以下のプランです。
このプランを元にリノベーション工事を進めていきます。
古民家の宿「小島別邸」のリノベーション工事については
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No.02 建物の事前調査
地元でもひと際目を引く大きなお屋敷の「小島別邸」。
瓦塀と大門に囲われた広い敷地に威風堂々と建つ主屋は
古民家の中でも格式の高さを思わせる佇まいです。
小島別邸の外観の特徴は、日本の民家建築でよく見られる
『越屋根』と『深い軒』です。
『越屋根』とは、切妻屋根の上部に設置された小屋状の屋根
のことです。この部分から煙や暖まった空気を外に出すこと
で室内に新鮮な空気を取り込む工夫が施されていて、現在の
『24時間換気システム』のような役割を果たします。
そして『深い軒』。小島別邸の軒はとても深く、張り出した
屋根を支えるための軒組みは重厚に建築されています。
この深い軒のおかげで外壁は現在も比較的きれいな状態が
保たれています。
建物の間取りは長い年月の間に増改築が繰り返され、
主要部分は建てられた当初の生活に合わせた造りに
なっています。内装も和洋折衷に仕上げられていました。
増改築が繰り返された関係で建物全体の構造や納まり
を把握することは難しく、日を改めて再度現調を行い
既存建物の平面図を作成しました。
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No.01 建物について
2025年3月25日に着手した「小島別邸」のリノベーション工事。
敷地内の残置物の整理や建物の養生や一部解体工事などの
段取りを終えて本格的な改装工事が進んでいます。
工事場所は、広島県三次市糸井町です。
工事中の建物は、1180坪の広大な敷地に建つ、
いわゆる「庄屋さんの家」です。
庄屋とは、武士よりも経済的に裕福で広い屋敷に住み、
広大な農地を保有し村を代表する知識人を指します。
現代に例えると町長のような役割をしていたことになります。
空から撮影された写真を見ると、そんな「庄屋さんの家」
の敷地と建物の大きさがよく分かります。
令和7年の今、106年前の大正8年に建てられた135坪の
平屋が、来春に「一棟貸しの宿」として生まれ変わります。
企業様でのご利用や、地域の活性化に貢献できる場に
なる様、リノベーション工事が進行中です。
古民家の宿「小島別邸」のリノベーション工事については
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古民家の宿「小島別邸」のリノベーション現場日誌の一覧です。
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